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2006年05月11日

沖縄本土復帰記念日を目前に控えて

 5月15日は沖縄本土復帰記念日である。4年前の復帰30周年の沖縄地方紙(琉球新報、宮古新報を除く)を全部持っているが、各紙のコラムを読んでいると当の沖縄人が復帰をどう思っていたかがわかる。
「島は、静かだった。小学時代は「よい日本人になろう」と教えられた。四月二十八日には先生と一緒に「沖縄を返せ」を歌いながら提灯行列を楽しんだ。あれほど燃えたのに「その日」が静かだったのは不本意の表れだったか」(2002年5月15日 沖縄タイムス朝刊「大弦小弦」欄)
 たまたま今日、朝日新聞で復帰当日はどういった報道がされていたか気になって調べてみた。
やっぱり第一面に「新生沖縄県としてスタート」という記事がでかでかと載っていた。で、別刷りの特集があったのでそれだけコピーしてきたのだが、当時、小学校5年生だった女の子の詩が載っている。
次に全文引用してみる。

「 私のねがい 

復帰は
パスポートなしで
本土への行き来ができる
算数の本に出ているような
円生活に入る

1ドルは308円にかわり
お店では
今、わたしの着ている
7ドルのスカートが
2156円になる
 お米が
 バナナが
 ノートが
何でもかんでも
 ×308
きっと、頭が
こんがらがるだろうな

 毒ガス
 ばく音
 ひきにげ
 B52
苦しかった沖縄

復帰で
沖縄はほんとに
すくわれるのだろうか
沖縄には
日本復帰で
平和になりたいという
強い強いねがいがある

日本の人々よ
それに答えて
沖縄を
平和な県にしてほしい」(1972年5月15日 朝日新聞第二部特集「沖縄帰る」1面より)

当時は小学生もここまでの問題意識を持っていたのである。
その復帰から34年がたった今、日本はどうなっているだろうか。

「沖縄はほんとに
すくわれるのだろうか」


この子の危惧はあたっていたと思う。
確かに日本に復帰してよくなった面もあるだろう。
しかし、基地に関しては相変わらずどころかアメリカ時代より悪くなっている。
いまだに続く米軍基地の治外法権もそのひとつだと思う。先ほど引用した沖縄タイムス紙のコラムはこう続く。

「あれから三十年。何がどうよくなったのだろうか。」

と。
復帰から34年、そろそろ日本も植民地根性からの脱却を図るべきであろうと思う。米軍再編をきっかけに政治家連中にいい加減に目覚めてもらわないと、日本は大変なことになる・・・。


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この記事へのコメント
小学生の女の子の詩読んでて知らなかった面が
見えてきて、彼女の気持ちが痛いほど伝わりました。

なんともいえないキモチです。。。
Posted by なぉ at 2006年05月11日 19:41
 毒ガス
 ばく音
 ひきにげ
 B52

さすがにサリンは
大騒ぎで撤去しましたが
そのほかは変わってないですね。
どうしようもないほど・・・
Posted by びん at 2006年05月11日 21:20
当時の沖縄の人にとって、本土復帰は希望でしかなかったはず。

その希望・期待に本当に応えられているんでしょうか…。

今も、この小学生の女の子の時代も何も変わっていないような気がしてなりません。
Posted by まちゃこ at 2006年05月12日 02:05
こんにちわ!読んで今の子との違いに驚かされるばかりです。

今の沖縄の小学生の願いは何でしょうかね・・・?

「基地が無くなって安心な生活が送れる事」「豊かな自然が残る事」という声が聞きたいが・・・実際は・・・。
何が幼き子の感性をそうさせたのか。。。

思いとは心から望めば望むほど強くなる。
今の沖縄の子の望みは一体何でしょうね?

「マジレンシャーになりたい!」かな?
Posted by うみうさぎ at 2006年05月15日 02:59
 
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